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<医学書>喘息予防・管理ガイドライン2021

薬剤師向けおすすめ書籍
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はじめに

今回薬剤師視点からのガイドラインの読み方を説明します。その後実際に喘息予防管理ガイドライン2021を紹介します。
小児喘息ついては割愛しています。
このガイドラインは薬剤師、研修医、開業医には必ず読んでマスターして欲しい内容です。吸入薬の大切さ、ロイコトリエン製剤>テオフィリン製剤ということが分かります。
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ガイドラインの読み方

ガイドラインは前から読んではいけません。途中で心が折れます。
目次→薬剤→症状→診断→疫学の順で読んでいきます。薬剤については治療に書いてあることもあります。フローチャートになっていたり、推奨順で書かれていたりします。
症状については薬剤選択、症状の悪化や寛解に関わってきます。追加した薬剤の減量を考慮できる時期も書かれていることもあります。
診断については医師の思考を知ることができます。医師の人間なので参考にしているものがあります。それがガイドラインです。
疫学については豆知識として持っておくと良いかもしれません。必須の知識ではないことが多いです。
では実際に喘息予防・管理ガイドライン2021を読んでいきましょう。



喘息予防・管理ガイドライン2021

治療(p94~)

抗喘息薬は「長期管理薬」と「増悪治療薬」に大別します。そして種類としては吸入薬、内服薬、注射薬があります。
治療ステップはp109にあるのでご覧下さい。長期管理薬、増悪治療薬が分かりやすく書かれています。
長期管理薬は基本的に飲み薬ではなく、吸入ステロイドであることを頭に入れておきましょう。症状が良くない場合や吸入薬が使えない場合に内服薬を考えます。

長期管理薬

ステロイド剤

静注、経口、吸入と剤形はありますが、副作用は吸入薬(ICS)が圧倒的に少ないです。経口薬はICSを最大限使用しても管理できない場合などに選択されます。効果は①喘息症状を軽減②呼吸機能を改善③気道過敏性を軽減④気道の炎症を制御⑤急性増悪の回数と強度改善⑥気道壁のリモデリング抑制などです。

LABA(長期作用性β2刺激薬)

β2刺激薬は気管支拡張作用があります。剤形としては吸入、内服、貼付があります。
ツロブテロールという貼付薬は良く使われているイメージです。

LAMA(長期作用性抗コリン薬)

気管支平滑筋を弛緩させて呼吸機能を改善させます。剤形は吸入です。前立腺肥大のある人、閉塞隅角緑内障のある人には禁忌になります。
気管支拡張作用、気道分泌抑制作用があります。

以下は良く使われる吸入薬の例になります
ICS→フルタイド、パルミコート、オルベスコ、アニュイティ
ICS/LABA→アドエア、シムビコート、フルティフォーム、レルベア
ICS/LAMA/LABA→テリルジー
※吸入後はうがいをすることを必ず指導するようにしましょう。うがいは舌に苔が生えたり、声が枯れるリスクを減らします。

LTRA(ロイコトリエン受容体拮抗薬)

→モンテルカスト、プランルカスト
剤形は経口
気管支拡張作用と気道炎症抑制作用があり喘息症状、呼吸機能などを改善します。

テオフィリン徐放製剤

剤形は経口
血中濃度5-15μg/mlを目標とし、それを超えると悪心、動悸、精神症状などの副作用が出ることがあります。
ICSの併用薬としての効果はLABAと比較し劣り、LTRAと比較し同等か劣ります。
気管支拡張作用と抗炎症作用があります。

注射薬(既存の治療で効果が不十分な場合に使われます。)

オマリズマブ(ゾレア)
抗IgE抗体製剤。重症喘息患者の増悪回数などを改善します。
メポリズマブ(ヌーカラ)、ベンラリズマブ(ファセンラ)
抗IL5抗体製剤。好酸球の活性化を抑える効果があります。
デュピルマブ(デュピクセント)
抗IL4受容体抗体製剤。アトピーの治療にも使われます。

増悪治療薬

自宅でも出来る服薬

短期作用性β2刺激薬で気管支を拡張させるように作用させます。
SABA(メプチン)、シムビコート(長期管理で使用中に限る)

また、経口ステロイドを使用する場合もあります。
その場合、プレドニン0.5mg/kg程度と高用量が推奨されます。

救外での対応

吸入可能な場合、ネブライザーで局所作用を期待してβ2刺激薬を投与します。

また、全身作用を期待してステロイド、アミノフィリンの注射を投与します。
NSAIDs過敏喘息、アスピリン喘息を疑う場合はヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロンは避けます。ベタメタゾン(4-8mg)、デキサメタゾン(6.6-9.9mg)が望ましいです。

治療ステップ

ICSが基本で追加でLABA、LAMA、LTRAを使用します。リスクを考えてテオフィリンは最後の選択肢です。

主な吸入薬のデバイス

エアゾール、タービュヘイラー、ディスカス、エリプタ、プリーズヘラー、レスピマットなどがあります。



病態

病態生理について4章で詳しく書かれています。受容体、血球の動きなどです。話が難しいので1章の総説を見てください。気管支喘息は「気道の慢性炎症を本態とし、変動性を持った気道狭窄による喘鳴、呼吸困難、胸苦しさや咳などの臨床症状で特徴付けられる疾患」です。持続する気道炎症は、気道粘膜の傷害と気道構造の変化(リモデリング)を誘導します。
患者に説明する内容も書かれています。(p72)慢性の気道炎症を〈 気道のボヤが続いている状態〉、気道りモデリングを〈 ボヤが続くと気道が硬く狭くなり元に戻らなくなる〉、種々の因子で増悪することを〈 ボヤが大火事になり、発作を起こす〉と説明します。
治療法の説明長期管理薬の連用について〈 常に起こっているボヤを消して病状の進行を抑え発作や増悪を予防するために吸入ステロイド薬などを使用します〉
増悪に対する治療薬について〈 増悪に対する治療薬は即効性に気道を拡張させる作用があり、喘鳴、息苦しさ、呼吸困難感などの症状が出現した時のみ、早めに使用します。ボヤを消す作用はありません。〉

喘息の管理目標は症状のコントロール、将来のリスク回避です。症状のコントロールは①気道炎症を制御する②正常な呼吸機能を保つ。将来のリスク回避は①喘息死を回避②急性増悪の予防③呼吸機能の経年低下の抑制④治療薬の副作用発現回避⑤健康寿命と生命予後を良好に保つ。

疫学

最後にp24からの疫学に触れます。地域、時代によって有病率は変わるようです。現在日本での有病率は成人で6-10%程度のようです。
喘息死は現在1500人/年程度、1950年は16000人/年以上にいたようでこの70年で1/10になっています。

まとめ

ガイドラインは必要な所だけ読むと難しくないと分かって頂けたと思います。今回は喘息のガイドラインを紹介しましたが、他のガイドラインも同様に読んでみてください。



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