<教養本>素晴らしきサイエンス 感染症時代の新教養「ウイルス」入門

本の紹介

<ビジネス書>素晴らしきサイエンス 感染症時代の新教養「ウイルス」入門
川口 寧著  実務教育出版 初版:2022年
読書時間:3時間
オススメ度(5段階評価):2
#ウイルス学#細菌学#免疫学#微生物学#医学#薬学#獣医学#初心者に優しい#科学

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感染症時代の新教養「ウイルス」入門 [ 川口 寧 ]
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はじめに

ウイルス全般について学ぶことが出来る本があったので紹介します。理系でない方が読んでも難しくない内容となっています。もし大学などで微生物学を学んでいたら復習になると思います。絵や図が書かれておりカラフルでとても読みやすいです。
僕は薬学部を出たので微生物学は学んだことがあります。目に見えない生物の学問ということもあり苦手意識がありました。この本はざっくりと概要を掴ませてくれる本なので大学時代に読みたかったです。

概要

まず、ウイルスと細菌は異なるということをご存じでしょうか。ウイルスは一般にそれ自身で増えることはありません。ウイルスは何かに感染し、その中で増殖します。細菌は自分自身で増えることが出来ます。ウイルスの例を挙げるとコロナウイルス、インフルエンザウイルスなどです。細菌は大腸菌などです。
そしてウイルスが感染するのは人間を含む動物のみと考えてしまいますが、実は昆虫や植物などにも感染します。
僕達人間が風邪を引く時は大抵の場合ウイルスが原因となります。しかしウイルスには分かっていないことも多く、抗ウイルス薬も多くはありません。ウイルスの研究はまだ始まったばかりで、期待されている分野です。
今回はウイルスの基本的なことについてまとめていきたいと思います。

内容

1章 人類がウイルスを発見するまで
ウイルスを発見されるまでの歴史が書かれています。天然痘やポリオの感染をはじめ様々なウイルスに人類は悩まされてきました。ウイルスが人類に与えた影響は病気だけではありません。バブル経済を誘発したこともありました。17世紀オランダでは「チューリップバブル」というものがありました。綺麗なチューリップが咲く球根で家が買えるような状況でした。この綺麗なチューリップが咲く原因こそウイルスだったと言われているのです。
ウイルスというとワクチンの研究が出てきます。人類初のワクチンは天然痘でした。そしてこれを使用し天然痘は根絶させることに成功しました。微生物学の研究の歴史では日本人が多く出てきます。野口英世、北里柴三郎、志賀潔などです。

2章 ウイルスの正体に迫る
この章は少し専門的な事が書かれています。一般の方でもわかる内容を記載します。ウイルスは生き物かどうか?答えは生き物ではないです。ウイルスはそれ自身で増えることはありません。他の生物に感染し、その細胞の中で増殖します。ウイルスの大きさはどうでしょうか。100ナノメートル以下の大きさです。大腸菌の大きさが3マイクロメートル(3000ナノメートル)です。ウイルスは一般に細菌よりも小さいです。
他にはウイルスの構造、増殖方法などかなり詳しく書かれています。専門的な知識がない場合は「へぇー、そうなんだ」で流してもらった方がいいかもしれません。大学の授業やテストがあり、流れを掴みたい方にはぜひ読んでもらいたい章です。

 

3章 ウイルスが病気を起こす仕組み
ウイルスは毒を作らずに、人や動植物などの宿主に病気を引き起こします。メカニズムとしては3つあります。1感染細胞を壊す2免疫応答による悪影響3ウイルスが免疫を抑制し、他の細菌やウイルスにかかりやすくする
ウイルスの侵入ルートについても詳しく学べます。母親から赤ちゃんに感染するルートについても解説されています。

4章 ウイルスと生体の激しい攻防
こちらの章は免疫学についてです。かなり専門的なことも書かれているので、分かりにくい所は流してください。
体にウイルスなどの異物が侵入してきた時、どのように体が戦っているのか分かります。発熱、炎症は免疫の1つです。白血球やナチュラルキラー細胞などについて詳しく書かれていますが割愛させていただきます。
ワクチンの種類についても書かれています。生ワクチン、不活化ワクチン、ウイルスベクターワクチンなど様々なワクチンの特徴についてまとめてあります。自分や子供が打つワクチンがどれなのか考えながら読むと面白いと思います。

5章 感染症を起こすウイルスたちの素顔
様々なウイルスが登場します。コロナ、インフルエンザ、エイズ、エボラなど、そしてそれらを媒介する動物や感染経路がわかります。この章がこの本のメインになってくるところかもしれません。インフルエンザの型、治療薬、なぜ毎年新しい型が出来るのか勉強できます。コロナウイルスは昔から存在は知られており、軽い風邪を引き起こすことが知られていました。それがSARS,MERS,COVID-19のような重篤な症状を示し始めたのは最近。現在わかっていることが詳しく書かれています。
この章ではエイズ、ノロなどについても解説されています。また、ウイルスを媒介する蚊やダニの脅威についてもわかりやすく書かれています。

 

6章 動物・植物・最近に感染するウイルス
ウイルスは人間だけに感染するわけではありません。動物や植物、昆虫、細菌にも感染します。犬、猫がかかるウイルスで有名なものに狂犬病があります。日本ではワクチンの接種がすすんでいるのであまりかかっている犬猫はいませんが、海外では狂犬病にかかるものもいるようです。家畜に感染するウイルスもあります。鳥インフルエンザや豚インフルエンザです。植物に感染するウイルスは日本で発見されているものだけでも約700種類いるようです。植物に病気をもたらせるものから、特に何もしないウイルスまで色々いるようです。大腸菌などの細菌に感染するバクテリオファージというものもあります。

 

7章 ウイルスと共に生きる私たち
ウイルスは悪いやつというイメージがありますが、ウイルスの良い面について書かれている章になります。
ウイルスが動物の進化を促している可能性があります。哺乳類の胎盤がそれにあたるようです。大昔にウイルスに感染したことにより遺伝子が書き換えられ胎盤が出来たようです。そして現在コアラはウイルスを取り込んで進化をしている最中のようです。
がん細胞のみに感染するウイルスの作成が注目を浴びており、がん治療の幅を広げることが期待されています。

まとめ

この本を読んでたくさんの発見がありました。進化の過程で役に立ってきたウイルスがいたこと、植物や昆虫に寄生するウイルスが存在すること、免疫について、ウイルスと細菌の違いなど学ぶことが出来ました。
ウイルスとは何か最初から勉強したい人には最適な本です。

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